室蘭港中央埠頭から工場群を望む
ウインズ室蘭は、もちろん数あるJRAウインズのひとつである。
しかし、他のウインズとの大きな違いは「ほっかいどう競馬」の場外発売も行っている点である。
それに「室蘭」という街を見てみたいという強い衝動にかられて、つい尋ねてしまった。
今、室蘭といえばモーニング娘。の安倍なつみしか思い浮かばないが(失礼)、
石炭の積出港として、また鉄の街として、日本を支えてきた街である。
明治初期、幌内で採掘された石炭は、今ばんえい競馬で有名な(?)岩見沢から
江別を経由して小樽港から積出す日本海ルートが主流だった。
しかし、室蘭市民の強い運動もあり、岩見沢-栗山-早来-苫小牧-室蘭の太平洋ルートが
開かれたのが明治20年頃である。
北海道の鉄道マップを見ると、おなじみの新千歳空港を経由する路線がメインに思えるが、
その線はあくまでも「千歳線」という支線であり、先のルートが室蘭「本」線であることに気づく。
全盛期は、73両編成全長630mの列車が石炭を運んでいたそうである。
また鉄に関していえば、石炭輸送で儲けた北海道炭砿鉄道(株)が、内浦湾の砂鉄を主原料と
した事業を開始した明治40年頃から始まった。
しかし、石炭にしても鉄にしても、残念ながら斜陽産業である。
室蘭市資料によると、最盛期に1万8千人を越えていた人口が、平成には減少し続け、
平成12年には1万人をかろうじて越えるというくらいになっている。
ウインズ室蘭も思いのほか活気がなかった。
もちろんお盆休みの真っ只中。しかも小雨降る旭川ナイター競馬の場外。
客脚が遠のく要素はそろっていた。
ふと見ると、建物の外には列車の車両が並んでいた。どうやらその中が売店になってるようだ。
晴天のJRA場外時に、車両からあふれるくらいのお客さんが入っているウインズ室蘭。
そんな光景を願ってしまう私である。