2007年1月28日 館山若潮マラソン
ついにフラワーラインを走る!
33km地点。真正面にでっかい海!
JR館山駅から送迎バスで約10分の市民運動公園がスタート・ゴール。
千葉県南端で西側にちょこっと飛び出した特徴のある「洲崎」をまわる変則周回コース。スタートから10kmまでと33kmからゴールまでは同じ道を往復する。20~30km区間がアップダウン多く難所。
千葉県といえば、47都道府県制覇一周目では北部の「佐倉マラソン」を走り、またこのコーナーでは紹介していないが、九十九里浜(大網付近)でハーフマラソンとデュアスロン(RUN10-BIKE60-再びRUN10という過酷なレース)を走ったことがある。今度千葉県を走るときは南端の館山にしようと思ってはいたが、なかなかその機会はやってこなかった。理由は簡単。私の家からどんなに急いでも東京駅に着くのは朝7時。従って10時スタートのこのレースに日帰りすることは不可能だったからである。
しかし、会場までの道も楽しんでしまおうという47都道府県制覇二周目のコンセプトを考えると、この大会は実にぴったりの大会である。何しろ、私が在住する神奈川県から館山近くまでフェリーが出ているのだ!しかもこのフェリーに私は未だかつて乗ったことがない。前日からフェリーでゆっくりと現地入りしようという、実に魅力的な旅とマラソンになりそうだ。
前日。
京急久里浜駅についたのがちょうどお昼。久里浜港まで近いと勝手に思っていたが、歩くと結構かかってしまった。マラソン後、復路も同じコースをたどったのだが、このときは船を下りると駅までの連絡バスがあったが、それでも10分以上かかっていたので、時間が無いときや天気が悪いときは歩かない方が無難。フェリーは600円。椅子席なので、早めに乗船していいポジションを取る。この日は天気は良いものの風が強く、船は結構揺れた。しかし、船足は遅い。いつスピードをあげるのか?と思っているうちに金谷港に到着してしまった。所要時間は35分程度なので、これは速い。久里浜港には売店が一箇所あっただけだったが、金谷港ではお土産屋さんや、立ち食いそばなど、結構充実している。しかもJR浜金谷駅は徒歩5分ほどと近い。ローカル線なので本数は少ないが、館山までは快適な旅。
この日のホテルは館山駅から海沿いの道に出たところ。部屋から海が一望できるし、近くにコンビニもあるし、結構快適なホテルだったが、しかし風が強い。夕方コンビニまで歩いたときなど、体が前に進まないくらい。果たして明日はどうなることか?
レース当日。
幸い風は収まっていた。コンビニで朝食を買い、8時ちょい前にチェックアウト。駅から会場までの送迎バスは頻繁に出ており、ゆったりと会場へ行くことができた。しかし、会場は屋外だった。着替え用のプレハブはいくつかあったが、レースまでの間は屋外の芝生の上で待機しなければならず、雨や風がない今日のコンディションに大いに感謝。ランニング用品や軽食、お土産などの出店も充実しており、スタートまでゆっくりと過ごせる。10kmと2kmの部を含めると4000人を超えるランナーが参加するビッグレースだが、トイレの数も多くきちんと行き届いた大会との印象を受けた。
レース前は日差しが強いくらいだったが、走り始めると雲がかかり、むしろ快適なランニング日和。前半は会場から昨日宿泊したホテル前を走り、一路洲崎へ。アップダウンもほとんど気にならないくらいで、快適な走りが続く。洲崎を越えると、いよいよフラワーラインに入った。
突然だが、私のもうひとつの趣味は競輪観戦だ。
20歳の若者と、50台のおっさんがハンデなしで真剣勝負する競輪は、見るスポーツとしては最高のものだと思っているのだが、どうも話の合う人は少ない。競輪というと八百長がまかりとおる、いかがわしい博打と思う人が主流だ。そんなことはもちろん無く、いかにしていい着をとれるかを計算し、また日ごろから血を吐くような練習をしている純粋なスポーツである。しかし、「素人」にわかりづらいものにラインという概念がある。これはレースの際、日ごろの練習仲間が3人くらい並んで走るもので、協力していい位置を確保しようとする合理的な作戦だ。とにかく他の地区の選手より3人でいい位置をとり、最後の直線ではその3人の中でもいい着を取ろうとする。
(まだまだうんちくを語りたいのだが、ここまでにしておきます)
さて、競輪とフラワーラインとはどこでつながるのか?
今から20年くらい前になるが、千葉と東京の選手がラインを組んで、ビッグレースを勝ちまくったことがある。その選手たちが(たぶん)練習していたのが、このフラワーラインと言われている。そしてこの千葉・東京の選手たちがレース中につくるラインもフラワーラインと呼ばれるようになったとのこと。
ああ。私は今、伝説のフラワーラインを走っている。
路肩には菜の花がきれいに並んでいる。洲崎からはゆるやかな下りが続くため、走りも快適。よくはわからないが、幸福な気分にひたる瞬間。
23km地点を過ぎると、フラワーラインとお別れしていよいよアップダウンのきつい10kmほどの区間にさしかかった。しかし、厳しいといっても最高地点で海抜40m。勾配もそれほどではないので、少しスピードを落とせば走り続けることができる。後半のエイドに置かれるようになったアンパン(栗アンパンか?)や飴をいただき、このおかげでガソ欠になる心配もない。
一気に海岸まで下った33km地点。ここで朝走った道に戻る。こんどは逆に一路会場を目指す。不思議なもので、朝平坦だと思った道が、復路では結構つらく感じるアップダウンが出現している。それでも沿道の応援を受けて、気持ちが切れることはない。会場が近づくと、応援の人数も増え、もう変な走りはできない。町をあげての応援の中、快適なフィニッシュ。
フィニッシュ後は無料の豚汁をいただき、有料(100円)で預けた荷物を受け取る。とにかく早く着替えよう。何しろ、会場近くのホテルで温泉が割引で入れるのだ。幸いランナーも少なく、ゆっくり汗を流せる。帰りは電車でもよかったのだが、15時半の金谷港行きのバス(有料)が準備されていたので、迷わず帰路もフェリーに決めた。
町をあげての大会運営と、充実したエイド。しかもフィニッシュ後の温泉とバスサービス。
今回が27回目の1月の名物レースは、人気になるのがよくわかる温かい大会だった。