2005年5月15日 鯖街道マラニック

根来坂峠を一気に下る。道は細く、これは恐ろしい!

滋賀県内の朽木村。新築だが独特の家並が続く。

 

 

JR北陸本線「敦賀」駅から小浜線に乗り換え約1時間で「小浜」駅へ。
海岸方面へ少し歩いたフィッシャーマンズワーフ近くの公園が集合場所で、駅方面に戻った商店街がスタート。大きな峠を3つ越え、ひたすら京都の出町を目指す76kmのレース。

47都道府県マラソン制覇を行う上で、福井県は勝山市で開催されている九頭竜川のフルマラソンを走ればよいと考えていた。例年11月中旬に開催されていたこの大会はいつでも走れるだろうと考え、後回しにしてきたのが実情だった。しかし去年ランナーズのHPを見ていると、このマラソンの情報が掲載されていないことに気がついた。どうしたのだろう?

確かに去年は台風の当たり年で、各地に甚大な被害を与えた。
九頭竜川地方でも、例年の(マラソン以外の)イベントが中止になったようだ。この関係で2004年度は中止されたのだろうと考えていたが、今年のランナーズの何月かの号に掲載されていたフルマラソンリストにもこのマラソンの掲載はなかった。
どうしよう。福井県ではフルマラソン以上のレースは無くなってしまったのだろうか?

その代わりと言っては何だが、妙案を思いついた。もちろん今回参加した鯖街道である。
いつかは走りたいと思っていたレースであり、スタート地点は福井県の小浜。全長76km中で福井県内の距離は約20km。厳密な意味では福井県のレースと胸を張りづらいが、とりあえず福井県とカウントすることとした。今後、正真正銘の福井県内でのフルマラソンが開催されることがあれば、「走りなおす」ことにしよう。

と心に決めて、鯖街道に臨んだわけだが、「代わり」などどいう安易な気持ちでは走りきれない、実に厳しいレースだった。もともとこのレースも今年の開催は危ぶまれていたそうだ。途中の「ワープ」が常態化したこと、規模が大きくなりすぎたことなどなどが原因。今回は第10回大会ということで開催が決定されたが、通常の76kmコースに加えて、42kmコースも設定された。「ワープ」をしたいランナーや時間的に厳しいランナーは42kmコースに参加して欲しいという意味である。

先回りしてレース後の感想を述べると、是非とも継続して欲しいすばらしいコースだった。日頃からこの土地に慣れているランナーでないと、とてもマラソンコースにしようなどと考えもつかない難コース。しかし完走すると、その充実感は計り知れないものがある、そんなレースだった。

さて、朝6時に小浜をスタート。
しばらくは快適なオンロードが続く。次第に上り坂になるが、まあ、この程度なら問題ないだろうと思っていると、根来坂の山登りが急にやってきた。本格的な登山道だ。冬場は雪が積もっているこの道は、その関係か樹木がまばらで山道特有の薄暗さがない。もうすぐ峠に到着するという感覚の明るさがある道だが、実際にはなかなか峠に着かないために、精神的には逆につらい。

根来坂峠を越えると、一気のくだり。そして朽木村に入ると平坦なオンロードが長々と続く。
この平坦な道が曲者で、再び出現する2つの峠がより厳しく感じる。2つめのオグロ坂峠・八丁平まではなんとかなったものの、3つめの杉峠・花背峠の登りは、地図上ではたいした登りではないが、走ろうと思えば走れるくらいの勾配だが、大きな石がごろごろしているオフロードであるためにどうしても走る気になれないという実にやっかいな道だった。

しかし、花背峠を越えるとあとは下り。
鞍馬駅までの急坂と、鴨川までのゆるやかなくだりが心地よい。
(鞍馬駅の温泉には大いにそそられたが、ここはこらえて走り続ける)
途中、私をダヴォスのアルペンマラソンに参加させるきっかけを与えてくれたランナーズへの投稿者とも偶然お会いすることができた(詳細はこちら)。

そしてゴール。
誰もいない山道を走っていたことを考えると、観光客や散歩の人々がたくさん応援してくれる鴨川は元気付けられる。よそ者の私では思わず引き返してしまいそうな足場の悪い山道、崩落した林道など、これほどバリエーションの豊富なコースを用意してくれたスタッフ・関係者に感謝感謝。

なおゴール後は、銭湯が準備されていたが、結構遠いとのこと。
行くのは止めてしまい、そのまま新幹線に飛び乗って帰路についてしまったが、やっぱり銭湯でゆっくりしたほうがよかったかなとちょっと後悔。