2005年11月27日 瀬戸内海タートル・フルマラソン
スタート直後の下り坂。美しい紅葉が突然目の前に広がった。
厳しいアップダウン。でも美しい海にほっと一息。
高松港からフェリーで1時間。小豆島・土庄港から徒歩10分ほどの公民館が受付。そこからすぐ近くの土庄町役場がスタート・ゴール。小豆島の北海岸沿いの道を1往復するアップダウンの多いコース。
香川県は、日本全国47都道府県制覇の46県目。そして小豆島は島巡りを志した2005年、レースとしては伊豆大島、隠岐の島に続く3島目。もともと香川県のフルマラソンはこのレースしかなく、いずれは走ろうと思っていたレースだったが、11月はつくばマラソン、河口湖マラソンを始めとして多くのレースが開催されれるためなんとなく走りそびれ、気がつくと47都道府県制覇のラス前で走ることになってしまった。
レース前日は高松市内で宿泊。朝一番(6時25分)のフェリーで小豆島・土庄港を目指す。1時間の船旅は2等船室でごろごろするランナー達を想像していたが、船内には意外なことにきちんとした椅子席が整備されており、行儀よく座るランナー達であった。(もっとも帰路は椅子を無視して車座でビールをあおる、予想どおりのランナーたちだった)
受付兼更衣室の公民館。なんと畳の部屋が解放されていた。着替えをするだけなので、理屈上は畳でも板の間でも同じなのだが、「畳」を見ると落ち着いてしまうのは日本人の証なのだろうか?
この日は11月下旬にしては暖かく、スタート40分前からTシャツ・ランパンで外にいても寒さは感じない。スタート兼ゴールの役場前でふらふらしていると、これまた驚いたことに無料でそうめんが配られていた。走る前に食べて胃袋は大丈夫だろうか?とほんの少しためらったが、結局はぱくぱくと食べてしまった。
ちょっとお腹が張った状態でスタート。
「島は山」毎回書いているけれど、今回も大いに実感。このレースはフルマラソンとしては厳しすぎるほどのアップダウンが続く。完全な1往復コースなので、登りと下りの足し算をするとゼロになるはずだが、折り返し後は、「こんな坂は無かったはずだ!」と叫びたくなるような登り坂が、これでもかと続く。エイドステーションも、水・スポーツドリンク・クリームパンが用意されており、ガソ欠とは無縁。考えてみれば、2005年は1月と2月に1回ずつフルマラソンを走っただけで、あとは60~100kmばかり走っていた。ウルトラ感覚に慣れすぎて、エイドステーションでゆっくりくつろいでしまいそうになったが、いかんいかん。今日はフルマラソンであった。
ウルトラは脚の関節が痛くなるが、フルは筋肉が痛くなる。
ウルトラは登り坂を歩けるけれど、フルは走らなければならない。
折り返して30kmに近づくと、だんだん辛さがつのってきた。ああ、35kmからがたっとくるのかなあ、と心配していたが、意外なことにそれほどペースを崩さずに走れている。この秋はウルトラとハーフをまじめに走った成果が出つつあるのだろうか?
と思っていたらゴール数km手前で、ものすごい登り坂が待っていた。
確かにスタート直後に気持ちよく坂を駆け降りた記憶がある。
ああ。フルマラソンは楽をさせてはくれなかったのだ。
レース後はお弁当だけでなく、飛び賞(折りたたみ三脚)までもらってしまった。
着替え終わるとバスで「オリーブ温泉」に連れて行ってくれる。実にゆったりとしたきれいな温泉。坂道で酷使した筋肉をゆっくりとほぐしてくれる。
温泉から港までは温泉の送迎バスで移動。うまいタイミングで14:45発高松行のフェリーに飛び乗ることができた。船内で繰り広げられるランナーたちの酒盛りを横目に甲板に上がると、心地よい潮風。
ああ。島のマラソンは癖になってしまいそう。