2002年 7月21日 セルフディスカバリーアドベンチャー・イン・王滝 クロスマウンテンマラソン

人も車もない林道をひた走る。40キロを過ぎると本大会名物のトンネルが出現!

石がごろごろした林道をひた走る。沢の水が天然のエイドステーションに早変わり。
42キロの参加者は120人ほどだが、もっと人気になってもいいレースだ。

 

 

フルマラソン日本制覇を計画する上で、なかなか悩ましい県がこの長野県である。
青森や長崎のようにフル以上のレースが無いのも困るが、長野のように多すぎても逆に悩んでしまうのである。最近できた長野マラソン、古豪?大町アルプスマラソン。それに強烈な個性を発揮する野辺山の100キロもいつかは楽しみたいレースだ。

そんなことを考えながらランナーズを眺めていると、クロスマウンテンという実に「そそられる」文字が飛び込んできた。これしかないっ!と参加を決めたのがこのレースだ。大会のHPにアクセスすると、さらに興味が倍化する。長野県は御嶽山の麓・王滝村。普段は閉鎖されている林道を開放して、7月にはマウンテンバイクの100キロと42キロ。ランの42キロと20キロが開催される。また9月にはバイク、ランやトレイルランを組み合わせた1日型のアドベンチャーレースが開催されるとのこと。

今年は7月20日にマウンテンバイクレースが、21日にマラソンが開催された。私は20日に電車、バスを乗り継いで王滝村へ参入したが、早くもレースを終えたのか、マウンテンバイクを積んだ車がやけにたくさん走っていた。

スタートは朝7時。おそらく日本で開催されるフルマラソンの中でもっとも早いスタート時間だろう。王滝村の公民館からスタート地点まではバスで送ってくれる。スタート地点には早くも何もない。スタート後はすぐオフロードの林道に入り、アップダウンを繰り返す。「給水所は水だけです」とは聞いていたが、見事に本当だった。コップも置いてないのでポリタンクから自前のボトルに給水する。ときには沢の水をボトルに詰めて、ランナー以外人間や車は全く見かけないコースをひた走るレースだ。

33キロ地点でダムを渡ると、一転して舗装されたフラットコースに変わる。ときどきオフロードが混ざるのだが、石ころだらけの林道でおよそ「ランニング」とはいえない走りを続けていただけに、何と走りやすいのかと感動を覚えるほどの変化である。40キロを過ぎると、本大会の名物・真っ暗なトンネルが出現。「懐中電灯を持ってきて下さい」という注意事項もうなづける、大会でなければ引き返してしまいそうなトンネルだった。

制限時間は8時間。余裕たっぷり2時間前にゴールしたのだが、すでに多くのランナーはマイクロバスに揺られて、ゴール地点から駐車場のある「松原スポーツ公園」や公民館へ移動した後だった。ゴール地点で表彰式が行われていたこともあり、ゴールしたランナーはほとんど無視される存在。どこで何をすればよいかちょっと迷ってしまった。ファンラン派にはちょっと物足りないゴールだったが、しかし、そこは大自然がカバーしてくれた。表彰式会場の脇に流れる川にシューズごと漬かり、汗を流したり、天然のアイシングをしたりしてマイクロが到着するのを待つことができた。

プログラムを見ると、マウンテンバイク100キロの参加者500人に対し、マラソンは120~30人。ランナーは少数派という大会だが、この環境をもってすれば、どんどん人気がでるレースだと思う。思えば、7月末は富士登山競走や北欧の杜アドベンチャートライアスロンなど、個性豊かな大会が多い時期だ。この時期のひとつの目玉として発展して欲しい。
(ちなみに今回が第2回)