2007年5月21日 星の郷八ヶ岳高原ウルトラマラソン

ピカピカの晴天だが、八ヶ岳山頂だけ雲がかかっていた早朝。

馬越峠を下る。正面に見えるのは何と言う山だろう。

 

JR小海線野辺山駅下車、徒歩数分の社会体育館が受付兼本会場。前日受付後は野辺山駅の観光案内所から各宿に送迎してくれる。スタート後10~23kmのオフロード林道を挟み、35kmの稲子湯をちょっと過ぎたあたりまではだらだらした登り。その後50kmまで一気に下り、79km馬越峠を越え、90kmからゴールまでは再びだらだらと登りが続く。高低差1000mの難コース。

前回100km走ったのは8ヶ月前の丹後半島。久々に100kmを走るときはいつでも、本当に自分がそんな距離を走ったことがあるのか信じられなくなる。もう二度と100kmなど走れなくなるのではないか。と思ってしまうのだが、今回は特にその思いが強かった。何しろ1月末にフルを走ったきりで、3月、4月に予定していたフルマラソンをパスしてしまったため、2月以降はほとんど走っていないという状態だったのだ。

練習不足だから、開き直って今日のウルトラをトレーニングと割り切ってしまおう、という気持ちをこめて詠んだのがこの川柳。
「今日、完走! できれば月間100kmだ!」

レース当日の朝は快晴。
そのため気温は4℃と肌寒い。しかし、日中は暑くなるだろうと予想して半袖Tシャツの上にウインドブレーカーを羽織ってスタート。このレースは35、58および71km地点のうち2箇所に荷物を預けることができる。私は35と58kmを選択し、スタート時に羽織っていたウインドブレーカーを35kmエイドで脱ぎ捨てることにした。

レース当日の朝は快晴。
オフロードの林道に入る10kmの少し手前でウインドブレーカーを脱ぎ、ウエストバックのベルトに挟んで走る。八ヶ岳の山頂は雲がかかっていたが、それ以外は雲ひとつ無い快晴。振り向けば富士山もくっきりと拝める。20km地点はコース中の最標高点1908m。そこからちょっと下ったあたりから舗装路が始まる。昨年まではまだオフロードが続いていたとのこと。

35km稲子湯のエイドでお汁粉をいただく。これがすこぶるうまい。ここでリタイヤして温泉にどっぷりと浸かれば最高だろうに。と思いつつも先を急ぐ。稲子湯を過ぎれば下りだと思っていたが、少しの間だが、これまで以上に強烈な上り坂が続いていた。いつの間にか青空は無くなり、標高が高いこともあり手がかじかむほどの寒さ。稲子湯エイドにウインドブレーカーと軍手を置いてきてしまったので、寒さを防ぐ手立ては無い。結局この地点から一気に500m以上下り、気温も上昇、太陽も再び顔を出したことから、それ以上寒さに苦しむことは無かったが、レース終盤になると再び指が動かなくほどの冷え込みがやってきた。基本的にこのレースは長袖Tシャツとグローブ必携というところだろう。

しかしこのレースはエイドが充実している。5kmおきと聞いていたがもっと頻繁にあるし、内容もおにぎりあり、そばあり、うどんあり、あんぱんありと大満足。全エイドで食べると摂り過ぎになってしまうほど。そんなエイドを楽しみながら65km付近までは比較的平坦な行程を楽しんでいたが、ここからいよいよ最大の難関である馬越峠に向かう。

レースパンフレットの高低図を見ると、前半の林道よりも厳しい高低差。しかもこれまでの厳しいコースのおかげで走った距離に10kmプラスしたくなるほどの疲労感。結局71kmのエイドから79kmの峠までほとんど歩き通してしまった。もがく私の横を緑ゼッケンのデカフォレストが追い越していく。デカフォレストとはこのレースを10回も完走している猛者たちのことだ。ここで私はすかさずこれからのコース状況を確認。峠を越えたら90kmまでは下り+平坦。90km以降上ったり下ったりだが、このペースから90kmは12時間で行けるだろうから、残り10kmは歩いても2時間で行けるので完走できます。という実に冷静なご意見をいただけた。さすがデカフォレストである。

峠を一気に下ると、確かに平坦。しかも千曲川の川沿いを走るという気の利いたコース設定だ。そしていよいよ残り10kmにさしかかったのだが、先のデカフォレストの話とちょっと違うのではないか?90km以降はアップダウンと聞いていたのに、いつまで上っても「ダウン」は現れない。正面に見える八ヶ岳に向かい、だらだらと上り続ける。八ヶ岳の上に輝く太陽がまぶしく、サングラスをかけてきてよかったと実感したものだが、その太陽も八ヶ岳に隠れてしまった。じわじわと寒さが襲ってくる。会場のアナウンスが聞こえ、おお、ゴールか!と思ったのもつかの間、そこからゴールまで2kmほど迂回させられる意地悪なコース設定。

練習不足の中の久々のウルトラ。
それでも完走できてしまったのは、ガソ欠と無縁の充実したエイドのおかげだった。レース後は会場と野辺山駅の間にあるお風呂で汗を流せるが、このお風呂が結構混んでいたのと帰りの電車時間が迫っていたこともあり、あまりゆっくりはできなかったのが残念。去年からレース当日に帰路につくケースが多いが、やはりウルトラは2泊しないともったいない。

しかし、このコースはこれまで走った中では屈指の厳しさ。次回走ることがあれば、間違いなく35kmコースを選ぶだろう。稲子湯にゆったり浸かれるし、スタートが100kmコースと同じ朝5時なので、午前中にレースを終えることができるのだ。