2007年6月17日 第2回隠岐の島ウルトラマラソン
雨の第1回大会では拝めなかった日の出。今回は綺麗に見えました。
57km付近の手掘りのトンネル。第1回大会のときも撮ったけど、やはりここが一番のポイント
第1回大会に参加し、この島の温かさを実感。第2回が開催されるとの報に躊躇無く参加を決めた。
温かい隠岐はしかし、今年は温かさを通り越し、暑いレースとなった。
100キロマラソンには20回以上出場しているのだが、同じレースを走ることはあまりない。この時点で秋田に6回、えびすだいこくに2回出場しているが、えびすだいこくの1回はリタイアしているので、2回以上走っているのは実質秋田だけ。ということで、同じレースを2回走ること自体珍しい上に、ここ隠岐が秋田と大きく違うのは、前走と季節が全く異なること。2005年10月23日の第1回大会は雨の中でのスタートで、しばらくは真っ暗な中を走ることになり、気がつけば夜が明けていたという感じだったが、今回はスタート後すぐにまぶしいくらいの朝日。同じレースでも季節が変わるとここまで印象が変わるのかと不思議な感覚を感じたレースだった。
印象が違うといえば、今回走って気になったのがトンネルの多さ。
特にレース前半は、第1回は雨の中、しかも薄暗い状況でトンネルを走ったので、外よりトンネル内の方が明るくて走りやすかったくらいだが、今回は外はまぶしいくらいの明るさ。しかもサングラスをかけていたので、トンネル内は真っ暗で走るのが怖くなることもあったくらいだ。
暑さの覚悟はできていたのだが、途中40kmくらいは直射日光はそれほど照りつけず、意外と快適な一日になるのではないかと楽観し始めた。しかし、中間地点の五箇の町に近づくにつれて雲は切れ、意地悪な太陽がしっかりと照りつけ始めた。レース後半はそんな甘くはいかないようだ。
中間地点から60キロ付近までは平坦な川沿い、海沿いが続く。特に海沿いは手掘りのトンネルがあり、このコースで一番の景観地帯。第1回で写真を撮ったので、今回は撮らなくてもよいと思っていた場所だが、結局今回も撮ってしまった。ここの景観はそれほど他レースには無いものである。
60キロ以降は、上り坂・トンネル・下り坂の連続。
どんどん上昇する体感気温対策として、体力温存のため上り坂は歩きに徹することとした。しかし、それでも暑さは体力を奪っていく。走る体力というよりは食事をする体力を奪っていく。後半のエイドではほとんど水しか摂っていないことに気づく。氷水が異常においしい。通常、レース中にこれだけ水分を摂ると、胃が重くなって走るのが辛い状態になるのだが、今日は不思議とそうならない。飲んだ氷水は胃にたまることなく、すぐ汗になって出て行ってしまうのだろうか。そういえばトイレに行っても、尿の色が濃い。
そんな厳しいレース状況だったが、上り坂を歩けるという気楽さから、かえってこの厳しいコースが走りやすいという感覚に変わっていた。逆に85キロ付近の平坦な区間が走りにくかった。山のように太陽を遮るものもなく、凶悪な太陽の下にひとり晒されている気分になる。そして第1回で苦しんだ隠岐空港周辺を走る残り10kmに差し掛かった。この区間はだらだらと上っていて苦しいことは苦しかったが、覚悟を決めていた分、精神的には余裕を持って走る(歩く)ことができた。
残り3kmは一気の下り。
ここまで残しておいたエネルギーを吐き出す走りに切り替える。第1回もそうだったように、この下り勾配は非常に走りやすい。気分としては一瞬にしてフィニッシュに到達するという感覚だ。1ヶ月前に残り1kmになっても走り出すことができなかった野辺山とは全く違うラスト3km。不思議なのは、第1回と気温は全く違うし、上り坂もかなり歩いたにもかかわらず、タイムが20分ほど遅くなっただけだったこと。
フィニッシュ近くにシャワー施設があるが、私は知り合いの知り合いの家でお風呂&ビールをいただいた。第1回大会でも親切にしていただいた方なのだが、今回も大変お世話になってしまった。島を挙げての第2回大会。後夜祭では隠岐の歴史紹介ビデオが流されていた。歴史好きの私にとってはたまらないビデオだった。失敗したのではないかと思うほど麺が短い隠岐そばをすすりながらこのビデオを拝見。そういえばこの島を2周したものの、観光ハイライトであるロウソク岩はみていない。聞けば島の内部にも必見スポットが目白押しとのこと。
ああ。
たった2回しか来ていない隠岐の島だが、どんどんと愛着が沸いてくる。もっともっと隠岐のことをしりたい。来年のGWには観光中心のマラソン合宿に来ようではないか。もちろん第3回大会があれば、それにも参加するであろう。そんな魅力を秘めた隠岐の島。