2005年3月27日 第1回 伊豆大島ウルトラランニング

スタート直後。サンセットパームラインを走る。絶景!

大島大砂漠から大島公園へ向かう。これほどのアップダウンとは思わなかった。

 

伊豆大島の拠点・元町港近くの長根浜公園がスタート・ゴール。
スタート後、サンセットパームラインを往復(10km)してから、大島一周道路を一周する61kmコースと、45km地点から三原山の登山口までの往復を加えた77kmコースの2種が用意されている。

前日の26日。せっかく島に行くのだから、船で行こう!
竹芝桟橋から大島に渡る場合、天候により元町港か岡田港のどちらかを選んで着岸する。この日は天気も良く、てっきり受付会場に近い元町港に着岸すると思っていたが、ジェット船が到着した港は岡田港。それほど波も無いのに、なぜ元町港に着岸できなかったのだろう?

という疑問は、バスで元町に着いたとたんに解消した。
何しろ風が強い。2晩お世話になる民宿から、数百メートル離れた温泉に行くにも、防波堤で割れた潮が降りかかってくるのを避けながら歩いたくらいだ。「今日の風は特別で、明日のレース時はこんなことはあるまい」と何の根拠もなく決め付けていた私だが、ひとつ不思議なことに気がついた。3月下旬にこんな風の中を歩けば、花粉症が爆発するはずだが、昨日までぐずぐずしていた鼻は、ここ大島では何と快適であることか。民宿で2晩の友となる4人の相部屋仲間の様子を見ると、非常に辛そうにしている人が一名。他は花粉持ちではないので、考察の対象になるのは、私と辛そうなランナー一名。なぜ私だけが平気なのだろうか?感作の対象となる花粉が違うのだろうか?解明するには科学的検討が必要であろうが、今はっきりとわかったことがひとつ。毎年憂鬱な3月を過ごしていた私に、こんな近くに、こんな素敵な避難所があったということだ。もう毎年この時期に来てしまいそうな予感。

翌朝も好天。しかも風は無い。
昨日のんびりすごした温泉に隣接する大会会場には、三々五々とランナーが集まってくる。
わいわいと騒いでいるうちにスタートの合図。正面にうっすらと富士山が拝めるサンセットパームラインを快適に走る。前半、ゆるやかなアップダウンや地層切断面を楽しみながら波浮港へ。このエイドで名物のコロッケをいただき、筆島へ。ここからが覚悟を決めていたところの厳しい登り坂だ。

筆島から桜株へ。そして三原山の登りへ。
77kmコースの参加者69名。ランナーはばらけて、一番苦しいこの区間では前後にランナーの姿は見えず、精神的にも大変つらい。しかし、最高点・御神火茶屋に近づくと、折り返しのランナーが増え、エールを交換。おかげさまで元気を取り戻し、山下りへ。あんなに脚が重かった道も、下りになると何と速いことか。大島公園の椿と応援にさらに力をもらい、ラストのサンセットパームラインに入った。

しかし、朝はあんなに快適だったサンセットパームラインには、昨日よりもいっそう激しい風が荒れ狂っている。「風が吹く」という表現は、吹いたりやんだりするときの表現で、今私が受けているのは吹きっぱなしの風で、止むことはない。しかもこんなに激しい風を受けながらも、ゼッケンはほとんどばたばたいわない。すなわち、この風は真正面から吹き付けているのだ。

強烈な風に苦しんだのは、もちろん私だけではなく、他のランナーも、そしてゴールでランナーを迎えてくれるスタッフの皆さんもとんでもない強風の中で耐えていた。それにも関わらず、私がふらふらとゴールに近づくと、温かい声援を送ってくれる。ありがたい限りである。でも申し訳ないけれど、ゴール後、その場に長くいることは出来なかった。荷物を受け取ると、すぐ隣にある温泉に飛び込んだ。ランナーがばらけていたこともあり、また広々とした温泉であったこともあり、走った後のからだをゆっくりとほぐしてくれる。なんと快適。

温泉を楽しんだあとは、数百メートル歩くだけで民宿の夕食が待っていた。
コンパクトな町ならではの、実に落ち着いたアフターラン。
来年は100kmの部新設?の噂もあるこのレース。花粉症の避難も兼ねて、毎年参加してしまいそうである。こんな素敵なレースを企画してくれたスタッフの皆さんや、私の重い脚を後押ししてくれた大島の皆さんに感謝感謝。