2003年10月19日 長井マラソン
チップと共に一部をむしり取られてしまったゼッケン。
盆地かと思いきや。予想外に開けた平坦コースをひた走る。
中盤になるとどんどん山に近づいていく。しかし、紅葉には少し早いか?
山形新幹線「赤湯駅」から山形鉄道に乗り換え、南長井駅下車。会場となる長井市置賜生涯学習プラザまでは公称徒歩20分ということだが、実際はもう少しかかりそう。東北地方のマラソン大会といえば、東北ブロックマラソンや弘前・白神アップルマラソンで経験したように会場の交通の便が悪いことが印象的である。今回も「南長井駅から徒歩20分」という文をみて、いや~な予感がしていたのだが、結果的には実にスムーズに移動できた。
前日の土曜日夕方、高校生満載の山形鉄道に揺られ、南長井駅に降り立った。宿泊予定のビジネスホテルは、この駅から列車が来た方向に少し戻る位置にあるはずだが、歩けど歩けどなかなか着かない。そろそろ電話して場所を確認しようかな、と不安になったところに突然ホテルが出現した。はたして明日の朝、会場まで歩いていけるのだろうかとこれまた不安になるが、地図を確認すると、駅からホテルまでとホテルから会場まではほぼ等間隔。適当に選んだホテルだが、結果的に大正解だった。部屋は広いし、照明も明るい。朝食はトーストとゆで卵をサービスしてくれる。ゆったりと余裕を持って会場に向かうことができた。
会場となる生涯学習プラザも結構ゆったりしていた。通常レース前は着替えの場所獲りでごったがえし、足の踏み場もない状態になり、これがストレスとなることもあるのだが、ランナーは2階建てのプラザと隣接の体育館に分散し、充分余裕があった。
スタートは9:30。
山形県の内陸ということもあり、起伏の激しいコースかと思っていたが、この長井地方は盆地の割りに開けた土地で、コースもほぼ平坦。少し遠くに見える山にじわじわと近づき、ハーフの折り返しでUターン。再び山から離れて生涯学習プラザにゴールする単純往復コース。
10月中旬の東北の割りに日差しが強く汗ばむ陽気だったが、走るにはちょうどよい。10km、ハーフマラソンそしてフルマラソンが同時スタートということもあり、ついつられてペースが速くなったようだ。山を眺めながら、少し紅葉には早いかなあ。でも山の上の方は色づいているなあ。そんなにあせらず、ゆっくりと走っていればゴールに着く頃には秋の深まり、紅葉も見頃になっているであろう。という感じをうまく31文字で表現してみたいなあ。などと考えている前半はよかった。
後半になり山に背を向けると、ふいに向かい風が気になり始めた。前半は気にならなかったちょっとした起伏が妙につらく感じられるようになってきた。そういえば先週は「東京夢舞マラソン」で遅いとはいえ42kmを走っていたっけ、と今更ながら前半の飛ばしすぎを反省。しかし、バナナやアンパンの充実した給水所で何とかリズムを回復してフィニッシュ。
プラザ2階のシャワーに直行したが、ここでうれしい誤算。ランナーでごった返していると思っていたシャワールームには誰もおらず、貸切状態。ゆっくり汗を流すことができた。あまりに順調に帰り支度を整えることができたことと、東北のレースには珍しく(?)南長井の駅まで随時マイクロバスを出してくれたことで予定より1本前の山形鉄道に乗ることができた。1本前といっても1時間半早いことになる。さすがローカル線である。あまりに早すぎて、指定を取っていた山形新幹線も2時間前に変えることが出来たが、逆に指定は満席で福島までは立っていくことになってしまった。これもうれしい誤算というべきか。
日本全国47都道府県マラソン制覇を考える上で、長野県や茨城県のようにレースが多すぎてどれを走るか悩んでしまう県があるかと思えば、全く選択の余地のない県もある。山形県は典型的な後者のパターンだ。正確には鶴岡100kmマラソンもあるが、これは制限時間11時間であることから私にはちょっと厳しい。必然的にこの長井マラソンを走らざるを得ない。もっとも大会主催者も心得ていて、このレースのキャッチフレーズは「山形県内唯一のフルマラソン」だ。
実はこの日、フルマラソン100回楽走会のメンバーで、私と同じく47都道府県制覇を目指すランナーに出会った。そしてこの長井で全国制覇を完成することになるとのこと。レースの途中いろいろと話をさせてもらったが、シャワー後豚汁を食べているとき、偶然その方のゴールの場面に立ち会うことができた。
ああ。私も早くあの感動を経験したい。この長井を完走したことで35県をクリアしたことになる。
私の目標達成は、いつ、どのレースになるのだろうか?