2002年5月4日  山口100萩往還マラニック大会(70キロの部)

70キロコース上から望む萩城跡。この風景が見たくて再度チャレンジしました。

 

2000年に一度挑戦したが、途中棄権してしまった因縁のレース。
毎年ゴールデンウイークに開催されるこのレースは、ウルトラファンには超有名な大会である。
70キロの部は5月4日の朝6:00に、JR山口線の山口駅から徒歩約20分の瑠璃光寺からスタート。一路萩往還を北上し萩城跡で小休止。折り返して瑠璃光寺まで戻るというもの。しかし、この「萩往還」というのが曲者で、平坦コースは萩市内区間だけで、あとはアップダウンの繰り返し、しかも延々と続く登山道もクリアしなければならない。70キロという距離の割りには、制限時間が12時間とゆったりとってあるのはそれなりの意味があるのだ。

私が出場した70キロ以外にも多くのコース設定があり、中でも有名なのが、山口県の名所を徒歩で回れるという特典付きの250キロの部。5月2日の18:00にスタートし、48時間後の5月4日18:00までにゴールするというとんでもないレースである。時間的には70キロの部の往路、ゴールへの最終アプローチを目指す250キロランナーとすれ違うという憎い設定になっている。このレースが多くのウルトラファンを離さない理由は、この微妙な設定のためだろう。まず70キロに出場した人の中には、250キロランナーの美しさを目の当たりにし、「ああ、次は私も」と思ってしまう人が少なからずいるからであろう。
さて2000年には、暑さと給水所の少なさに戦意を喪失してしまったことを反省し、今回はデイバックに飲み物、食べ物、そしてデジカメを詰め込み、250キロランナーと間違えられるくらいの重装備で臨んだが、今年は一転して雨降りであった。萩城跡までの往路は何とか持ちこたえてくれたが、復路は雨が降りっぱなし。特に佐々並から山口への山越えは、遭難者かと思われるほどのずぶぬれ状態であった。しかし、究極の選択として炎天下と雨降りのどちらを選ぶかと問われれば、間違いなく雨降りを選択する私である。最後の登り坂も「おばちゃんの草餅」に勇気づけられて完走できた。

これで、2000年以来抱いていた「萩往還の呪縛」から無事逃れることができたわけだ。
フルマラソン47都道府県制覇からいけば、もはや山口県はクリアできたのだが、翌日になると、「萩往還の下り道は、結構ジャリがあるので、厚底のトレイルラン用シューズを買おうかなあ」などと考えてしまう恐ろしい自分がいた。