実は滝本体は滝壷に入らなければ拝むことはできない。一般の人はこの鳥居まで。
滝本体は拝めないが、絶妙な光の加減で虹が出現。実に幻想的な滝である。
滝へ向かう道の途中。台風により寸断されている。
2004年11月22日
「南阿波サンライン黒潮マラソン」の参加を決めてから、ずっと楽しみにしていたのがここ「轟の滝」。
四国で有名な四万十川よりきれいと評判の海部川上流にある、日本の滝百選のひとつだ。
しかし、不安だったのは今年の台風。ここ四国も直撃を受けて山岳地帯の道路は寸断されてしまったと聞く。実際、徳島県海南町のウェッブサイトを見ると、轟の滝は一部見学できないところがあると記載されている。
しかし、せっかく四国まできたのだから行ってみようではないかと気合を入れ、海南町営バスに揺られて海部川を遡る。始めは広い道だったが、どんどん山奥に入っていく。そのうち、この道をバスが走っていること自体が大間違いなのではないかと悲鳴を上げたくなる狭い道。乗客はほとんど無く、バスの運転手から地元の情報を得ながらの旅は正にガイド付の貸切バス。
今年は台風の影響で餌が無くなったためか、里にイノシシが下りているとのこと。見れば道端の民家前で、自分で仕留めたイノシシを解体しているオジサンが2名。イノシシは今年だけだが、シカはちょくちょく道端に出てくるとのこと。
本来は滝近くの轟神社までバスが運行していたが、台風の影響で道が寸断され、2km手前までしか行けないとのこと。しかたないのでそこから歩くことにする。途中、上の写真にもあるように完全に道が無くなっている箇所もあったが、地元の車は平気で結構走っていたのには驚いた。
そうこうして辿り着いた轟の滝は正に轟。つまり、滝本体は岩に隠れて拝むことが出来ない。音しか聞こえないという意味では轟そのものだ。しかし、本体は見えないが、滝のしぶきと岩陰から差し込む日光の微妙なバランスで、2重に虹がかかっている。岩陰からちらちらとこちらを伺うオーロラのようだ。
バスの運転手によると、台風で道を寸断されてからほとんど観光客は来なくなってしまったようだ。また、完全に道が復旧するのは4~5年はかかるだろうとのこと。しかし、この実に思わせぶりな滝は一見の価値あり。ただし、車ではは入れないこと、バス便も本数が少なく極めて不便なので、海南町のサイトで充分確認してください。